六代目女将便り
味噌の踏み込み
踏み込み
タンクに入れたばかりの味噌は空気が入ったままです
空気が入ったところからは、カビが生えるので、踏み込みをして空気を抜きます。
手前の盛り上がっている味噌が、踏み込みをすると空気が抜けて平らになります。こうなると、表面以外にはタンクの中でカビが生える事はとんどありません。
味噌の上にビニールを敷き、小さく切ったバスマットの上に乗って少しずつ体重をかけていきます。
思ったよりも疲れる仕事なんですよ。
昔、子供がやりたがってやったのですが、体重が足りず、ほとんど沈まず、踏み込みが出来なかったので、この仕事は大人がやる作業ですね😂
味噌玉を混ぜる
砕いた味噌玉に、糀と塩と水を入れて、撹拌します。
このときの糀の量で味噌の種類が変わります。
大釜から出た味噌玉を180個に切っておく必要があるのも、この時に味噌玉の大きさがバラバラだと、糀と塩との配合が無茶苦茶になるからです。
半分に割った味噌玉1個が1升=1.5キロなので、
極味なら糀を2キロ
豊麗なら糀を1.5キロ…と配合していきます。
この頃の味噌玉は、アルコール発酵をしており、撹拌しているとすごくアルコール臭がします。
主人曰く二日酔いの日は迎え酒をしてるようで辛いそうです😂面白いですね🤣
味噌玉を砕く
味噌玉を砕く
味噌玉は3週間熟成させると、かなり硬くなります。鏡餅を想像していただければ、あれに似た感じです。
萬年屋では、チョッパーと呼ばれる機械で砕きますが、昔、家庭で作っていた頃は
★臼と杵でついた
★石臼で挽いた
★包丁をカンナのようにして削った
などなど、皆さんかなり苦労していた感じです。
だから味噌玉で仕込み味噌がなくなっていたのではないかと思います。
でも、大豆がそんなに硬くなり、その中にたくさんの微生物が住んでいて、
こんな硬い中に大勢で住んでいて、居心地が悪くないのかなあなんて思ったりします。
まあ、人間の感覚ではないですよね💦
ぴかぴかの味噌玉‼️
洗った味噌玉は、こんなにきれいになるんですよ。
カビも取れて、ツルツルのピカピカという感じです。
カビのまま仕込むこともできますが、とてもかび臭い味噌になりますので、カビはできるだけ除去します。
ある年は味噌玉の中にカビが入り込んでしまい、その味噌はかび臭い味噌になりました。
たくさん味噌玉が並んでいる中で、一部分だけカビが入り込んだんですよね。何故でしょうか??
私達にもわからず、自然の力には逆らえないことが、改めて実感。
主人とも話をしたのですが、味噌玉を作った日に風が多く吹いて、表面が乾きすぎ、中にカビがこもってしまったのではないかとの結論が。
真実は分かりませんが… 💦
今年のは大丈夫です❣️⭕️
カビもあまり生えず良い味噌玉です。
味噌玉を洗う❕❗️
味噌玉を洗います。
ほんとに
たわしでゴシゴシ
ヘラでガリガリ
文字通りゴシゴシ洗うんです。前回も書いた通り、硬くなった鏡餅位の硬さなので、洗ってもほとんど崩れません。
味噌玉を洗う?とよく驚かれるのですが、この作業が大切で、洗わないと味噌がカビ臭くなります。
ただ、昔作っていた人の話を聞いたり、本を読んだりすると、カビを洗わずにカビごと仕込む家庭もありました。
そのカビの匂いの味噌が、その家の味になっていくんですね。
正に手前味噌。
今と違って、家庭の数だけ味噌の味があったと思います。
私が思うに、手作り味噌でも味噌玉の味噌の方が、味の違いがはっきり出ると思います。
何故かと言うと、作業工程の違いがあるからです。
カビを、洗うor洗わない
熟成場所が、屋内o r屋外
味噌玉の形が、大きいor小さい
熟成期間が、長いor短い
などなど
家の事情によって、熟成させる場所や大きさが違っていたようです。
家庭の数だけ仕込み方が違うので、その数だけ味噌の風味が違っていたと思います。
食べ比べたら面白いかったでしょうね。
味噌玉を水に漬ける
味噌玉を水につけているところです。
表面はかなり乾燥してるので、水に漬けても全く崩れません。
硬くなって、カビが生えた味噌玉は、鏡餅を想像していただけるとわかりやすいと思います。
鏡餅も、お正月に飾った後は、乾燥してヒビが出来て、接地面にはカビが生えていると思います。まさにあんな感じ。
さあ、これから洗う仕事が待ってるぞ!
味噌玉って硬いの?!
熟成した味噌玉はカチンカチンに硬くなってます。
このままではカビがうまく取れないので、タンクに入れて水を張り、
1時間から2時間ほど味噌玉を浸し、ふやかします。
そうすると、カビが取りやすくなるんですよ。
写真の作業は、数を数えながら、タンクに味噌玉を入れているところです。
中腰仕事なので、アルバイトの学生さんも、あー疲れたと言っていました。
仕込みは女人禁制ですか?と聞かれるのですが、決して禁制ではありません!
が、
とにかく力仕事なので、1日はできたとしても何日も続く仕込みには体が持ちません💦
女には、持ち上がらないものも、男には持ち上がるんですよね。重いものは、男衆に任せましょ❣️❣️
#仕込み
#男衆の仕事
味噌玉のかび
熟成した味噌玉には、カビが生えているものもあります。
写真2枚目のように、倒れていたところが、重なり合うと、そこにカビが発生します。
昔の人は、このかびを見てもひるまず、食べようと思ったということが凄いと思います❗️
カビがあっても洗えば良い👌と思ったのでしょか?
それとも、食糧事情の悪い1300年前は、カビが生えても食べなければ、食べ物がなかったのでしょうか?
はるか昔の日本人のことに思いを寄せると、面白いですね❤️
今なら絶対に破棄してしまいますよね。私だってこんなカビの生えた大豆の塊はいやですもの💦
麹の出来上がり❗️
出来上がった糀
仕込みの時は、出来上がった糀は熱を持たせないために、ブルーシートに広げて冷まします。
まるで、海のような、石庭のような
糀ひとつぶひとつぶが、生き物のような感じで、何度見ても小さな感激✨
麹を仕込む 次世代へ
味噌玉を洗う前に、まずは糀をつくります。
今年は、息子が主人の仕事に初挑戦。
初めて行うなうにしては、かなり上手で驚きました。
蒸し上がった米をシャベルでベルトコンベヤに入れていくのですが、
コンベアに入れる米の量が多すぎたり少なすぎたりすると、コンベア内で冷まされたお米が冷たすぎたり熱すぎたりします。
熱々のお米を同じ量をコンベアに入れていくのは、見た目よりかなり難しいです。
門前の小僧、習わぬ経を読むと言いましょうか、幼稚園の頃から見てきているので、体の使い方とかがわかっているのでしょうね。
久々に女将の仕事している風景が登場!私も写真ばかり撮っているのではなく、工場仕事をしてるんですよ❤️