仕込み実験!長文です
味噌玉の味噌は戦後まで家庭で仕込まれていましたが、今では知っている人すらほとんどいません。
味噌玉と言う食文化自体がなくなってしまう事に危機感を覚えています。
そこで、店の味噌玉とは全く別に、家庭でどう作られていたのか試しに仕込んでみました。
違いとしては、大豆の量と煮方。
他は店の販売用の味噌玉とほぼ同じ条件です。
店の味噌玉は乾燥での大豆は1.5kg(1升)で蒸しますが、
実験の味噌玉は、昔自宅で仕込んでいたというお客様の話から手で扱える大きさとして、大豆500gを煮ました。
その他の条件としては
同じ大豆を使い、
ほぼ同じ時期(4日違い)に、
同じ期間(3週間)
同じ場所で熟成させました。
写真2枚目の四角い味噌玉が実験用で、隣の半円柱形が店の味噌玉です。
熟成させる前は販売している味噌玉の少量版ができると思っていたのですが、
出来上がってみて、あまりに色々と違うので、正直戸惑ってしましました。
まずは色が違う。
次に表面のひび割れが多い。
あめが出ない。
割った時に中が柔らかい。
匂いが違う。
底面のカビの生え方は同じですが、割ってみると別物です。
店の味噌玉は割っても色はあまり変わらず、表面よりも少し薄いくらい。
カビを洗うのに水につけても溶けません。中までしっかり乾燥と熟成が進んでいる感じ。
匂いは大豆や納豆の匂いで、アルコール臭がします。どちらかと言うといい匂い。(写真がなくてわかりづらくすみません。インスタの味噌玉を砕いている動画をご覧になると、割れた状態がわかります)
実験用の味噌玉は表面だけ乾いていて、中は柔らかく匂いも乳酸発酵していて酸っぱいにおい。
これで洗ったら、中身は溶けてしまう。。。動画では思わず「どうしよう」と言う声が入ってしまいました。
とりあえずもう少し熟成させることにしました。
でも乾燥が進むと硬くなってしまう味噌玉をどうやって砕こうか。。。昔の人は臼と杵で砕いたと言うけど、私が持っているミンサーで砕けるのか不安。
よく主人が
萬年屋の味噌玉は、毎年条件を変えずに、
あの時期に、あの場所で、あの大きさで仕込むから萬年屋の味になると言っていますが、
まさにその通りでした。
大豆の煮方と大きさを変えただけなのに、全く違う味噌玉になるとは驚きでした。
味も違う味噌にできるのでしょうか。😅それはそれで実験成功。
色々と思ってもみない発見がありました。
仕込んだらまたご報告します。