味噌玉にするのはなぜ?! 前回、大切な事を書き忘れていました。 通常、味噌は、大豆を煮たところに、麹・塩・水を混ぜてその場で仕込みます。それが煮大豆を潰して玉状にした後は、塩や麹は混ぜずに、玉状にして熟成させることで、嫌塩性の菌・酵母・酵素というものが、中に取り込まれるからです。 その数普通の味噌の200倍とも言われています。 塩は元々、殺菌作用がありますよね。塩を入れない事で、菌や酵母などが大豆に入り込むのです。 また、味噌玉にするのには、春しか仕込みが出来ないのも大きな特徴です。 GWが過ぎ、初夏を過ぎると味噌玉は熟成する前に腐ってしまいます。(塩も何も入っていない、ただの潰した大豆の塊ですので!) また、秋〜冬に仕込むと熟成する前に乾燥してしまい、堅い大豆の塊のままなのです。 春の気候は腐敗もせず、乾燥もしないで、熟成が進んでいく・・・味噌玉にするには春の仕込みなのですね。 春に仕込み、夏の暑さを越すと、秋に味噌になる。気候に合わせて仕込む、天然醸造の造り方です。 そもそも、味噌玉造りというのは、飛鳥時代(奈良時代以前)の作り方です。先人の知恵が詰まっているのだなぁと思います。 昔の人は科学的な事は分かっていないのに、感覚で造っていたのか、失敗を重ねながら造ったのか、 はたまた偶然か重なって、こういう仕込み方法が生まれたのか。歴史があると言う事は、それだけですごい事ですね。