去年の春に仕込みをした際、
大鵬薬品の研究者の方が見学にいらして
萬年屋の味噌の味噌玉に入る菌を調べてもらいました。
その結果、
本当に味噌玉作りの味噌には
チーズと同じ菌が入っていました!!!
味噌玉造りは、1300年以上前の製法で造るので、
大豆だけで熟成させた際には、かびが必ず生えます。
味噌玉に生えたカビは、人間の体にとって害はないカビとは
わかってはいましたが、
今回の事で、
チーズ菌入り味噌として証明されたことが、とてもうれしいです。
いただいた研究結果を抜粋すると下の通りです。
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萬年屋の味噌玉からは2種類のカビが分離されました。
<ムコール ラセモーサス>
中国で豆鼓という大豆から作る
伝統的な発酵食品に使用されています。
ムコールラセモーサスが大豆を分解して作り出す
γ-リノレン酸(GLA)は人体にとって必須の生理活性物質である
プロスタグランジンの前駆体にもなっています。
<ペニシリウム コミュネ>
ヨーロッパではカマンベールチーズなど
白っぽいホワイトチーズを作るのに使用されています。
萬年屋の味噌玉の味噌が
チーズのような香りがするのは
このためなのかもしれません。
カビは同じ種でも系統によって
特定の物質を作る株、
作りやすい株、作らない株があります。
萬年屋の味噌蔵に住み着いている
ペニシリウムコミュネも
飼い慣らされて適応した系統なのかもしれません。
どちらの菌もごく一般的に
土壌から分離できる普通のカビです。
ただ普通のカビと言うのは、
世界中どこにでもいるが故に、
世界の様々な環境で生き延びるための
いろいろな代謝機構(今回は酵素等)を
持っているとも考えられます。
もう一つ味噌樽の中の白い粒も培養すると
白いドロっとした状態のコロニーをつくりました。
どうも酵母のようなので調べたところ
白いほうの酵母はジゴサッカロマイセス ロキシー
(耐塩性酵母)であることがわかりました。
この酵母が醤油や味噌の香りに
非常に強く関係することで様々な研究があります。
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難しい事を、わかりやすく書いてくださっていて、
どんな菌がいるのかがわかりました。
読んで下さってありがとうございます!