見習い女将便り

松本城 薪能

2016年08月09日

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昨夜、松本城で35回目になる国宝松本城薪能がありました。お城を背景にお能の鑑賞とはとても贅沢な時間で、夏休みの忙しい日々の中で、ひと時の静かさと優雅な時間を過ごしてきました。

とはいえ、最初から最後まで見たわけではなく、この日はあいにくと子供会の行事と重なっており、行事の帰り道に少し立ち寄った程度。お腹が空いたという子供達が一緒にいたので、少しだけ堪能して帰路につきました。
それでも、子供と仕事に追われる生活の中で、ほっとする大人の時間がとれたと言う事は、贅沢なひと時でした。

無料ですので、お気軽に来年はぜひいらしてください。毎年8月8日頃に行っている気がします。

開智小学校での味噌造り

2016年06月30日

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子供達の通っている開智小学校の2年生に、味噌造り体験をしてもらいました。 前々日から先生やボランティアの保護者の方に手伝ってもらい、大豆を浸漬させ、8時間くらいかけて大豆を軟らかく煮てもらいました。味噌造りの秘訣と言えば、とにかく大豆を軟らかく煮る事。大豆を煮終えたら半分が終わったと思っても良いくらいです。

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味噌造りの前に、子供達に麹菌と糀の話をしました。ありが黒板くらいの大きさだとすると、麹菌の大きさは「点」位と話をすると、子供達はビックリ!!麹菌が付いたお米は毛(胞子)が生えてきて糀になる話をすると、感心してくれました。

実際の作業は簡単。糀をほぐし、大豆を潰し、水を足し、最後に塩を入れました。粘土遊びか砂遊びの延長線上で仕込が出来るので、子供達はとても楽しんで仕込んでくれました。

さあ、秋にはどんな味噌になるのか、楽しみですね。

運動会

2016年06月17日

週末に子供の通っている開智小学校で運動会がありました。旧開智小をバックに万国旗がはためいて、古き良き運動会の感じですよね。

徒競走・綱引き・組体操・騎馬戦と子供達は頑張っていました。

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開智小学校も娘が低学年の頃は秋に運動会をしていましたが、暑さ対策で春の運動会に代わりました。松本は2学期は8月20日頃から始まるので、秋の運動会の練習は真夏の暑い盛り。練習も後半になると疲れ切ってしまい、子供は体調を崩しやすかった事を考えると、親からみると春の運動会のほうが体力的に楽そうです。

工場見学 糀の仕込み 番外編

2016年06月07日

 前回は糀の仕込みの手順をご紹介しました。今回は糀の事について、少しご紹介。

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糀用の米は水分が少ない方が仕込やすいのです。水分が多いと蒸したときに「だま」になり、麹菌がつかない部分が出てきてしまうからです。麹菌は米1粒に麹菌1つつけば良いとされていますので、だまになるとその部分だけ糀にならず、ただの蒸米のままなのです。

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とはいっても、だまになるところは出てきてしまうのですが、手造りの良さはそこから。
麹菌がはぜ込んでいない部分があると、室蓋に入れる前にふるいにかけてほぐしたり、霧吹きで水を足しながら、麹菌をまぶしたり。室は35度の高温多湿。今回もその室の中で300kg〜400kgの米を相手に、一日力仕事をします。どうにかして良い糀を作ろうと思う職人魂です。

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1日目は60点だった糀も手間ひまをかけてやると、麹菌の胞子がモクモクとついた、良い糀が出来あがります。90点かな。

糀の仕込みをしている日は、毎晩、夫婦で反省しきり。米の浸漬時間が短かった、蒸し時間が長かった、麹菌が上手にまぶしていなかったとか、米の温度が高かった、室の温度が低かった等、反省点は毎回違います。完璧と言う事はなく、なかなか満点とはいきませんね。満点の糀が出来るように、努力している次第です。

 

まちゼミを行いました

2016年03月09日

松本まちなかゼミナールを行いました。https://www.mcci.jp/machizemi/

今回は植田鰹節店とのコラボ。だし屋と味噌屋で出汁の取り方と味噌汁の飲み比べをした後、即席みそ汁と作りました。

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先ずは植田鰹節店よりだしの取り方の講習。鰹節と煮干しのだしを取って飲み比べ。店内はだし汁の良〜い香りで一杯になりました。
そのだし汁を使って、今度は味噌の味見。5種類の味噌を飲み比べてもらい、味の違いを楽しんでもらいました。

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その後は、鰹節の粉・切干大根・乾燥わかめを具にし味噌で丸めて、「みそまる」「みそ玉」と言われている即席みそ汁を作りました。
http://www.miso-girl.com/tukurikata.html  ←みそまるの作り方)

受講者の皆様には味噌もそれぞれ味が違う事もわかってもらえたし、即席みそ汁(みそまる)だと簡単に味噌汁が作れることが好評でした。
たくさんの受講者の方に喜んでもらえると嬉しいですね。次のまちゼミは、今週3/11・12・13日の着付け教室です。

お礼の冊子が届きました

2016年03月07日

先月に工場見学に来てくれた信州大学付属小学校 6年西組の皆からお礼の冊子が届きました。今井誠一郎先生と書かれ、照れていましたがとても嬉しそうでした。冊子には工場見学の様子を移した写真と共に、クラス全員からの感想文があり、一人ひとり丁寧に読ませてもらいました。みなさんとてもしっかりとした感想が書かれていて、6年生にもなるとしっかりとした考えを持っているのだなぁと、とても感心しました。今度は仕込をしているときにも来て下さいね。

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新宿での松本物産展に出店します! 3/1(火)〜3/4(金)

2016年02月22日

今年も新宿での信州松本物産展に出店いたします。

3/1(火)〜3/4(金) 新宿駅西口広場イベントコーナー(新宿駅 西口地下改札を出て左側です)

DMは下の通りになります。ご希望の方がいらっしゃれば発送致しますし、もしくは印刷してご持参くだされば、粗品を差し上げます。日頃は商品をごらんになることが出来ないので、ぜひこの機会に足をお運びください。

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眼下に広がる雪の松本市内

2016年01月25日

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先週、組合の講習会で浅間温泉まで行ってきました。先日の雪で松本市内は白一色です。見下ろすときれいですが、雪が融けず寒い毎日です。店の駐車場も雪かきが大変でした。ただ、子供達は雪かきの副産物、巨大滑り台で遊んでご満悦です。いつの時も子供は元気なものですね。

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お年越し準備

2015年12月29日

今年もそろそろ終わりになります。我が家では毎年餅つきをして、お供え餅をつくります。結婚した頃は、餅をつくなんてなんとまあ・・・戦後かと思いましたが、毎年やっていると、なかなか楽しくなります。
子供達も大きくなったので、私が手返しをするようになり、少しずつ上手になりました。

出汁の取り方 北大路魯山人

2015年11月18日

言わずと知れた食通の魯山人。 HPを作る時に集めた資料の中から、こんなのが出てきました。
凡人のわたしには読んだ瞬間からこりゃだめだ、とあきらめましたが、最後の「かつおぶしのある日本人はまことに幸せである。味、栄養もいいし、よい材料を選べば、世界に類のないよいスープができる。」という所だけわかれば良いかなぁと思ってしまいました。
目指せ魯山人!とはいきませんが、せめてもの救いは、我が家は味噌汁を作る時には粉末だしを使わずに、にぼしとカツオの合わせだしを使っている所でしょうか。一応味噌屋の女将ですので(苦笑)

興味のある方・お時間のある方、読んでください。長文です・・・
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だしの取り方
北大路魯山人
かつおぶしはどういうふうに選択し、どういうふうにして削るか。まず、かつおぶしの良否の簡単な選択法をご披露しよう。よいかつおぶしは、かつおぶしとかつおぶしとを叩(たた)き合わすと、カンカンといってまるで拍子木か、ある種の石を鳴らすみたいな音がするもの。虫の入った木のように、ポトポトと音のする湿(しめ)っぽい匂(にお)いのするものは悪いかつおぶし。
本節と亀節ならば、亀節がよい。見た目に小さくとも、刺身にして美味い大きいものがやはりかつおぶしにしても美味だ。見たところ、堂々としていても、本節は大味で、値も亀節の方が安く手に入る。

次に削り方だが、まず切れ味のよい鉋(かんな)を持つこと。切れ味の悪い鉋ではかつおぶしを削ることはむずかしい。赤錆(あかさび)になったり刃の鈍くなったもので、ゴリゴリとごつく削っていたのでは、かつおぶしがたとえ百円のものでも、五十円の値打ちすらないものになる。 どんなふうに削ったのがいいだしになるかというと、削ったかつおぶしがまるで雁皮紙(がんぴし)のごとく薄く、ガラスのように光沢のあるものでなければならない。こういうのでないと、よいだしが出ない。削り下手なかつおぶしは、死んだだしが出る。生きたいいだしを作るには、どうしても上等のよく切れる鉋を持たねばならない。そしてだしをとる時は、グラグラッと湯のたぎるところへ、サッと入れた瞬間、充分にだしができている。それをいつまでも入れておいて、クタクタ煮るのではろくなだしは出ず、かえって味をそこなうばかりである。いわゆる二番だしというようなものにしてはいけない。

そこで、まず第一に、刃の切れる、台の平らな鉋をお持ちになることをお勧めしたい。かつおぶしを非常に薄く削るということは経済的であり、能率的でもある。 なお、わたしの案ずるところでは、百の家庭のうち九十九までがいい鉋を持っていまい。料理を講義する人でも、持っていないのだから、一般家庭によい鉋を持っている家は一応ないと考えて差し支(つか)えない。 さて鉋はいつでも切れるようにしておかなければならない。しかし、素人ではよく研げないから、大工とか仕事をするひとに研いでもらえばいい。そのほか、とぎや専門という商売もあるのだから、いつも大工の鉋のようによく切れるようにしておかなければ、料理をしようとする時にまごつくのがオチだ。

日本にはかつおぶしがたくさんあるので、そう重きをおいていないが、外国にあったら大変なことだ。外国人はかつおを知らないし、従ってかつおぶしを知らない。牛乳とか、バターとか、チーズのようなもの一本で料理をしている。しかし、これは不自由なことであって、かつおぶしのある日本人はまことに幸せである。ゆえに、かつおぶしを使って美味料理の能率をあげることを心がけるのがよい。味、栄養もいいし、よい材料を選べば、世界に類のないよいスープができる。

まだ続くのですが、ここまで・・・