商品のご紹介

味噌の仕込み 8 <最終:踏み込み>

2018年08月18日

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仕込みも最終段階です。

砕いた味噌玉に、糀・塩・水を入れて混合し、
樽に入れて秋まで熟成させます。

この写真の時は、
味噌玉からかなりのアルコール臭が発生し、
お酒に弱い人でしたら、
酔ってしまうほどです。

大豆が発酵しているだけなのに、
アルコールが出るなんて不思議ですね。

「仕事しながら、お酒飲んでいるみたいで
得じゃない♪」
と、言ったところ、

それどころじゃないよ!
塩と糀との割合を間違えない様に、
数を数えながらやっているんだから、
酔っぱらっていたら、仕事にならない!」

と、萬年屋の社長兼職人が言っていました。
それもそうだ!(笑)
失礼しました。ハハハ

#味噌 #踏み込み

 

最後に踏み込みです。

空気が入るとそこからカビが生えるので、
タンク毎に踏み込みます。

子供がやりたがるのですが、
体重が軽すぎて、踏み込みにならず、
これは大人の仕事。

これで土蔵に移して秋から冬にかけて
新味噌の出来上がりです。

美味しい味噌になりますように!!

味噌の仕込み 7 <味噌玉洗い>

2018年08月18日

味噌玉をふやかす  

熟成した味噌玉を洗うために、ふやかしている所

味噌玉を洗って塩と糀と混ぜる時期は、
熟成が進んで、腐敗する手前。
発酵食品は、熟成と腐敗の微妙な兼ね合いですね。

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味噌玉の表面と割れ目の中にはカビが生えているので、
そのカビを一つ一つ洗い流します。

昔は一般家庭でも味噌玉で味噌 を作っていたのですが、
その時の話を聞くと、わざわざカビが生えるまで待って、
カビごと仕込んだという話をよく聞きます。

それも家庭の味なのでしょう。
自分の家で作った味噌が一番美味しい!
だから、「手前みそ」という言葉が出来たんですね。

味噌玉を砕く

 

萬年屋では、
かびごと仕込むとかび臭くなるので、

味噌玉を洗ってから仕込みに入ります。

上の写真は、洗った味噌玉を砕くところ。
水色の樽に入っているのは、洗った味噌玉で、
それを機械で砕きます。

3週間熟成させた味噌玉の中央は
まだ柔らかくて、手でつぶせる程ですが、
表面は乾燥して固くなっています。

そうですね、スイカの皮かメロンの皮くらいの固さでしょうか。
機械でないと砕けない固さですね。

自宅で味噌玉を作っていた人は、
どうやってこの固さを砕いたのだろうか・・・と
不思議に思ったので、

お客様の中で、子供のころに自宅で味噌玉を作っていた方に聞いたところ、
石臼で引いたとか、集落の誰かが砕く機械を持っていたとか。

やはり、人の手で砕くには固すぎますよね。
こういう事を聞けるお客様も高齢の方が多く、

しかも、子供のころに手伝っただけだから、
詳しいことは覚えていないという方ばかりで、
いずれは聞けなくなってしまいますね。

味噌玉造りという味噌の仕込み方は、
本当に消えかけている味なのだなぁと
実感した次第です。

わかる方がいるうちに、聞いておきたいものです。

 

味噌玉の仕込み 6 <熟成>

2018年08月18日

味噌玉 熟成中   味噌玉 熟成中

 

2週間ほど熟成させた味噌玉です。

蒸し大豆をつぶしただけなのに、こんな泡みたいのが出てきます。

これが、「あめ」と呼ばれるもので、
熟成が進んでいる証拠です。
あめと言っても甘くはなく、

どちらかというと、
腐った牛乳の様な、
ブルーチーズの強烈な香りの様な・・・

そういえば、牛乳が発酵するとヨーグルトになるのときには、
こんな香りになるのかなあと思いながら、
毎年味噌玉を見ています。

また、萬年屋の味噌には
この時点で蔵に住み着いた菌が
味噌玉に付着?発生?します。

だから、あめにはチーズ系の香りがするようになるのでしょうか?!

この「あめ」が出てくるころになると、
味噌玉もアルコールの様な香りがしてきます。

ただ、つぶした大豆を発酵させているだけなのに、
春の連休前、このほんのわずかなこの季節だけ

腐らずに熟成だけする。
先人の知恵ってすごいと思います。

味噌玉の仕込み 5 <味噌玉並べ>

2018年08月18日

釜から出して1個2升に切り分けた味噌玉は、
半分の1升分にして風通しの良い場所へ並べます。

切り分けるのには包丁ではなく、ステンレス製の薄い板を使うのですよ。
目分量で半分にしていくのですが、
気を許すと曲がって切ってしまいますので、慎重にね・・・!

味噌玉

 味噌玉は工場の蔵の中に並べていきます。

風通しが良いように、
等間隔に隙間を開けながら、
倒れないように並べます。

並べる台は角材に横板を渡し、その上に竹のすのこをひいて
この上に乗りながら並べます。

竹すのこがおれない様に、角材の部分のみに乗り、
横板には体重をかけない様に!

乗ってもしなるので多少は大丈夫ですが、
所々虫食いで傷んでいる部分もあり、
そこに乗ると、竹すのこが折れます。

ロシアンルーレットみたいでスリルあり!
な〜んてね。

ここからは←まちがい
ここから、子供達の活躍する場面です。
なにせ大人より小さくて身軽なので、
竹すのこの上で軽快な動きです。

 味噌玉の熟成

大人は天井に頭がつかえるのですが、

子供は背が小さいので、立っても大丈夫。

高い所に上りたがるのは、まるでおサルさんかしら?
何とかは高い所が好きというのが、あてはまるのでしょう(笑)

味噌屋は知力よりも体力!
家業を手伝うのには、もってこいです!

 

味噌玉 並べ    味噌玉 並べ

 

 

 

 

 

味噌玉の仕込み 4 <酪酸菌入り味噌>

2018年08月02日

酪酸菌入り味噌

萬年屋の味噌玉造りの味噌は、今話題の酪酸菌が入っています。
未来世紀ジパングの取材のカギになったのも、
酪酸菌入りの味噌だからという事もあります。

萬年屋の味噌蔵にたくさんの菌が住み着いていて、
その中の一つが酪酸菌です。

味噌に酪酸菌が入っているというのは非常に珍しく、
お客様には
「チーズの様な風味がする」

といわれることも多いです。

現在の一般的な信州味噌は、
大豆を煮たら同時に塩・糀・水を入れて熟成させますが、
味噌玉にするという事は、
塩を入れないで大豆だけで熟成させ、その後で塩を入れるので、
酵素が爆発的に増えるのです。

ちなみに生成菌の数は
味噌玉にしない「天醸」は1mgあたり300
味噌玉にすると66,000です。

全く同じ原料を使って仕込んでも、この菌数の違いが味の違いになります。

何度も書いていて、耳にタコが出来ましたか?!
あ、読んでいるので目にタコかしら(笑)

話を元に戻して・・・

塩を入れるという事は、
塩は殺菌作用があるので、
塩よりも強い菌(酵素)しか繁殖しないのですが、

味噌玉にして大豆だけで熟成させるので
酵素がたくさん含まれるようになるのです。

ある意味、塩ってすごい消毒作用がありますよね。

いつ頃、酪酸菌が萬年屋の蔵に住み着いたのかは
わかりませんが、

萬年屋でも味噌玉にしない
「天醸」には酪酸臭はしないので、
酪酸菌は塩には弱いという事でしょうか。

やはり大豆だけで熟成させるというのが、
酪酸菌入り味噌が出来るカギですね。

私もなぜ今酪酸菌が注目されているのか、
「腸内細菌として良い菌だ」
という程度しか知らなかったので、
簡単に調べてみました。

結果は次回のブログをご覧ください。

 酪酸菌入り味噌

酪酸菌ほかいろいろな酵素が繁殖中の味噌玉(煮大豆)です。
プチプチ音を立てているときに、
酵素が産まれているんですね〜。なんか神秘的!

味噌玉の仕込み 3 <味噌玉 成形>

2018年07月07日

 今年の仕込みのアルバイトは信州大学の学生さん。
細身のわりに筋肉質で気が利いてよく働いてくれました。

味噌玉 大豆

写真は釜の下から大豆を出している所。
シャベルで掻き出してチョッパー(ミキサー)に入れると、大豆がつぶれて出てきます。
子供たちはこの釜の中に入って、取り出せないところを手前に押しやっているのです。
左端でつぶした大豆を切っている様子がわかりますか?

味噌玉仕込み

つぶした大豆を切り、味噌玉に成形している様子。
1080キロの大豆を180個に目分量で切り分けます。職人のカンというやつです!
すると、一玉6kg=2升 になります。

味噌玉 成形

切った味噌玉を並べる作業です。
見た目は楽そうでも、一玉6キロで中腰で並べていくので、
180個並べ終わるころには、腰が痛くなりますね。

 

今年の仕込みの特徴と言えば、テレビの撮影があった事ですね。
テレビの撮影をしたいという話は、過去に何回もあったのですが、
なにせ、期間が限られているので、日程が合わずに撮影されなかったのですが、
今年はなんと2回も撮影&放映!当たり年です。

アルバイトの学生さん達とも、テレビにも映るね〜なんて言っていたら、
一番奥で大豆の釜出しをしていて、チラッとしか映らずに、
残念がっていました。

アルバイト中も何をやるにも元気良くて、
楽しそうに仕事をしてくれて、こちらまで元気をもらいました。

元気が良いという事は、良いことだ!!

 

味噌玉の仕込み 2 <豆煮>

2018年07月06日

味噌の仕込みの様子です。これは3月の後半の仕事。
子供たちは春休みなので、毎年お手伝いです。
大豆を煮る

まずは大豆を煮ます。煮るといっても、蒸すのですが。
蒸した方が、大豆の旨味が外に出ないというからだそうです。

一度に1080kg。娘が入っていると釜の大きさがわかるかと。
釜出しする釜の中はかなり熱く、まるでサウナか蒸し風呂か。

100度の蒸気が上がっていた釜の中に入る力仕事なので、そこそこ重労働です。
もちろん、釜の内側は熱いので、なるべく触らない様にしています。

柔らかくなるまで蒸した大豆は、触ると熱くて持てない程。
蒸しあがった大豆をちょっとつまみ食い♪ 仕込みの時の楽しみです。
ふうふうと冷まして食べると、美味しいですよ。

ダイエットしたい方は、ぜひぜひお手伝いに来てください。来年の春ね。
アルバイト料をもらって、痩せられますよ〜

ちなみに、私もこの作業をしていましたが、
最近は子供が釜の中に入りたくて、交代でやりたがる作業です。
楽をしているのは私とアルバイト。
子供にとっては、あの大きな釜に入るというのが
非日常なのでしょうね。

 

味噌玉の仕込み 1 <言い訳>

2018年07月06日

サブタイトル: アップが遅くなった言い訳・・・

今年の仕込みはブログもアップせずに終わってしまいました。
ああ、今頃アップするなんね・・・遅い!どうしよう。
ずいぶんと遅れたので、アップするか悩んだのですが、ふと思い出した。

古いアルバム

私事ですが、父の子供のころアルバムを見ていたら、
写真は年代が前後しているんです。

小学生低学年の頃があったり、学生服を着ている写真の隣が、また小学生。
手元にある写真を適当に張り付けているという感じ。
写真を貼っていた父の性格がよくわかるって代物で (^ ^ ;。

しかし、時間がたって今見ると、そのころの2年や3年なんてあまり気にならず、
アルバムになって、今楽しく見ているという事が大切で。

そう考えるとブログだって写真付きの記録だ!
何年か経って読めば、2か月遅れでも気が付かないかも・・・と思い、

今更ですが、今年の仕込みの様子をご紹介することにしました。
前置き(言い訳)が長くなりました。すみません。

今回は言い訳でおわってしまったので、
実際の様子は「味噌玉の仕込み2」から見てください。

野沢菜食べて、風邪を吹っ飛ばそう!

2018年02月05日

信濃毎日新聞にこんな記事がありました。
生でも漬物でも効果は同じだそうです。
この記事読んだ方、ぜひぜひ我が萬年屋の野沢菜漬けを食べて、
風邪知らずになりましょう!(冗談です)

野沢菜で免疫力アップ 信大助教がマウスで確認

ブログ

 

 信州大農学部(上伊那郡南箕輪村)の田中沙智(さち)助教(食品免疫機能学)が、
野沢菜に免疫力を高める効果があることをマウスの実験で明らかにした。
野沢菜の抽出物を、マウスから取り出した臓器の細胞に投与したり、
口から摂取させたりする実験で確認した。

同学部によると、野沢菜による免疫への作用が科学的に
明らかになったのは初めて。人が食べた場合にも効果が出るか研究中で、
「長寿県・信州」の郷土食として親しまれる野沢菜の健康効果の解明が期待される。

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私は、数学・化学が大の苦手。

嫌いというわけではないのですが、
理解しているつもりでも、数式が出てきた時点でアウト。

通知表を見ても小学生のころから完全に文系でした(汗)

化学式が出てくる記事は私にはチョット難しい所もありますが、
野沢菜が体に良いというのは、よくわかりました。

お時間ある方は続きを読んでください(^_-)-☆。
↓↓

 免疫は病気の原因となる細菌やウイルスなどの異物から体を守る仕組み。異物が体に侵入した際、免疫細胞が異物を排除する。田中助教は、野沢菜の抽出物が免疫細胞を活性化させるタンパク質「インターフェロン(IFN)—γ(ガンマ)」の生産を増やすことを発見した。

 田中助教が、免疫機能をつかさどる脾臓(ひぞう)の細胞をマウスから取り出して野沢菜の抽出物を加えたところ、IFN—γの量が増えた。抽出物に含まれる物質が、免疫細胞の一つの「樹状細胞」を活性化。樹状細胞から出る物質が、さらに免疫細胞の一種「ナチュラルキラー(NK)細胞」に作用し、IFN—γが生産された。IFN—γは樹状細胞や「マクロファージ」といった免疫細胞の働きを高める=イラスト。

 さらに、マウスに野沢菜の抽出物を7日間食べさせた。解剖して脾臓の細胞を取り出したところ、IFN—γの量が増加。野沢菜の抽出物を食べていないマウスと比べて生産量は約50%増えたという。田中助教は「マウスが食べた時にも免疫力を高める効果を確認できたことが重要」とする。

 野沢菜漬けでも効果を検証。食塩水に漬ける日数を変えた野沢菜漬けの抽出物で実験した。脾臓の細胞に投与した結果、7日間漬けた場合に効果が出始め、14日以上漬けたところ、生の野沢菜より多くのIFN—γを生産するようになった。

 ただ、マウスに食べさせる実験では生の野沢菜と、野沢菜漬けを比べても差はあまりなかった。田中助教は「野沢菜に含まれるどの物質が有効か明らかにし、体内で免疫力を高めるメカニズムを解明することが今後の課題」とする。

 田中助教は北海道出身で、北海道大研究員などを経て2013年秋に信大農学部に赴任。県内では各家庭で野沢菜を漬け、頻繁に食卓に上ることを学生らから聞き、長野県の長寿との関係に着目して研究の題材に選んだという。

 信大菌類・微生物ダイナミズム創発研究センター長の下里剛士・同大農学部准教授(分子生命工学)は「各家庭で親しまれている野沢菜に健康効果があるとする科学的な根拠を示したことは意味がある。今後、さらに研究を進めて人への効果が明らかになればいい」と話している。

暑い夏を糀パワーで乗り切ろう!!(^_^)/

2017年07月13日

梅雨が明けていないのに、松本も暑い日が続いています。
早くも夏バテしそうなのですが、そういう時こそ、糀のパワーで体調を整えましょう〜♪

  「簡単!キュウリの塩糀漬け」がおススメ。

 

 きゅうりの塩こうじ漬

作り方は非常に簡単!

きゅうりをメインに、キャベツ・人参・大根・生姜等塩もみが出来る野菜なら、何でもOK。

糀の旨味と甘みがでて、塩もみよりも一段上の一品になりますよ

  •   食べやすい大きさに切った野菜に、塩もみの要領で塩糀を使ってかるく揉むだけ。
  • すぐに食べても良いですが、ビニールに入れて1時間〜ひと晩おくと
    味がなじむので更においしくなります。
  •  塩糀の量は全体の 1 割が目安です。写真の様、何となくまぶしてある感じで大丈夫。

 塩糀 (5)

もう一つ塩糀の使い方でのおすすめは、

生の肉や魚に塩糀をまぜて保存する事

 

★  全部使い切れなくてパックに残ってしまった豚肉

★  安売りでたくさん買いだめした鶏肉

★  味が淡白な鱈の切り身 などなど・・・

 

こんな事よくありますよね。

そういう時こそ、塩糀を肉や魚にまぶして保存してください。

麹菌の作用で、生の肉や魚が長持ちする上に、とても美味しくなります。

 「塩糀は使いだすと便利でやめられなくなります!」

というお客様が多いですね!

塩糀

塩こうじ200g入り 324円

 

特に萬年屋は麹屋として創業して以来、今年で185年。

質が高く美味しい、と評判の糀で作った「塩こうじ」です。

 

この夏を機会に、ぜひ一度お試しください!

簡単な料理のレシピ付です