5月, 2017年
味噌の仕込み -なぜ味噌玉にするの?!-
味噌玉にするのはなぜ?!
前回、大切な事を書き忘れていました。
通常、味噌は、大豆を煮たところに、麹・塩・水を混ぜてその場で仕込みます。
それが煮大豆を潰して玉状にした後は、塩や麹は混ぜずに、
玉状にして熟成させることで、
嫌塩性の菌・酵母・酵素というものが、中に取り込まれるからです。
その数普通の味噌の200倍とも言われています。
塩は元々、殺菌作用がありますよね。
塩を入れない事で、菌や酵母などが大豆に入り込むのです。
また、味噌玉にするのには、春しか仕込みが出来ないのも
大きな特徴です。
GWが過ぎ、初夏を過ぎると味噌玉は熟成する前に腐ってしまいます。
(塩も何も入っていない、ただの潰した大豆の塊ですので!)
また、秋〜冬に仕込むと熟成する前に乾燥してしまい、
堅い大豆の塊のままなのです。
春の気候は腐敗もせず、乾燥もしないで、熟成が進んでいく・・・
味噌玉にするには春の仕込みなのですね。
春に仕込み、夏の暑さを越すと、秋に味噌になる。
気候に合わせて仕込む、天然醸造の造り方です。
そもそも、味噌玉造りというのは、飛鳥時代(奈良時代以前)の作り方です。
先人の知恵が詰まっているのだなぁと思います。
昔の人は科学的な事は分かっていないのに、
感覚で造っていたのか、失敗を重ねながら造ったのか、
はたまた偶然か重なって、こういう仕込み方法が生まれたのか。
歴史があると言う事は、それだけですごい事ですね。
味噌の仕込み -味噌玉並べ-
味噌玉を棚に並べて熟成させます。
7個×9列 風通しの良い様に、隙間を作って並べていきます。
4段目にもなると、天井に頭が付くくらい高い所まで並べる様になります。
子供ですら、左の写真の状態・・・。
大人は4段目に乗っていると、途中で必ず頭を打って
目から★星が飛び出るほど、痛い思いをするんですよ。
なるべくなら、4段目は安定もいまいちだし、
大人は避けたいところなのですが、
子供は4段目に乗りたくって仕方ない。
なんとかは高い所が好きとも申しますので、
その系統なんでしょう、我が家は(笑)
味噌屋をやるには学力いらぬ、味噌を造る体力あれば良い
by 母
二人で争って4段目。
これじゃあ、アルバイト料10分10円は割に合わないかな。
大人の仕事を奪ってまで並べていました。
あとで何か別のご褒美をあげましょう〜。と、そのころ考えてました。
味噌の仕込み -味噌玉の数-
釜から出した味噌玉。
手前のが大豆2升分。
ステンレスの板で半分に切って、大豆1升分にします。
そうそう、前回説明していなかったので、玉の数の事をご説明します。
一釜1080kgの大豆を
1個が大豆2升になるように、180個に切り分けます。
誤差はプラスマイナス10個以内。
味噌玉1個2升にしないと、その後の糀・塩・水の分量が狂うからです。
切るのは主人なのですが、
私は横から、
「なんだか巨大な味噌玉じゃない?!」とか、
「気持ち、小さい気がする」とか、気楽な事を言っています。
切っている本人曰く、
「言うのは簡単だけど、なかなか大変なんだよ・・・!」
1センチ違うと、10個以上の狂いが出てくる計算だそうです。
それはそれは、失礼しました。
味噌の仕込み -言い訳-
GW連休前に仕込の様子をアップしなくては・・・と思っているうちに、
GW前はの商品を作り(うちは製造元でもあるので、作らなくては売れない・・・)
GWが始まると、本店と支店の店番に加え、追加の味噌詰め、
先週は売り糀の仕込み・・・
仕込の記事?を書くのには時間が足りないので、
途中に、ごまかしで味噌のレシピを公開。
箸よりも重いものを持てない私は(←誰も信用しないけど)
3月からの仕込の重労働の疲れがどっと出て、
子供から風邪をもらいダウンしてました。
気を取り直して、仕込の続きから書きます(苦笑)